築古戸建てを再生する時に先に見るべきこと
築年数の古い戸建ては、価格が低く、少ない資金でも始めやすい投資です。その一方で、買ってから「こんなに直す所があったのか」と気づくことが多い物件でもあります。
私が築古戸建ての再生を始めたのは、2015年です。一棟のマンションの価格が上がり、利回りの合う物件が見つかりにくくなった時期でした。当時、30戸を目標に置きました。
ただ、ここまで一直線に増やしてきたわけではありません。新築のマンションを建てる時に、「築古戸建ては足を引っ張る」と言われ、持っていた戸建ての売却を進めた時期があります。その新築マンションが完成し、のちに売却したあと、あらためて築古戸建てを買い進めました。
いまは、法人で築古戸建てを30棟持っています。始めたときに目標にした数と、同じになりました。最初の3棟は、自分でも少し手を入れました。それ以降は、工事をすべて業者に任せています。
この記事では、その経験から、築古戸建てを買う前に見ておきたい点を5つに分けて整理します。

先に見ておきたい5つの点(一覧)
| 見る点 | 確かめること |
|---|---|
| 建物の状態 | 直せない、または直すと高くつく不具合がないか |
| 工事の範囲と費用 | どこまで直すか。見積もりは買う前に取れるか |
| 工事にかかる期間 | 買ってから貸せるまで、何か月かかるか |
| 想定する家賃 | 直したあと、周辺の相場でいくらで貸せるか |
| 借り手 | その場所で、戸建てを借りたい人がいるか |
1. 建物の状態:直せない所を先に見る
内装は、お金をかければ直せます。壁紙、床、設備は、見た目が悪くても心配しすぎる必要はありません。
先に見るべきなのは、直すのが難しい所、直すと費用が大きくなる所です。
- 雨漏りの跡(天井や壁のしみ)
- 床の傾きや沈み
- シロアリの被害
- 基礎や外壁の大きなひび割れ
- 給排水の配管の状態
- 屋根の傷み
これらは、内覧のときに自分の目で分かるものと、専門家でないと分からないものがあります。判断がつかないときは、工事を頼む業者に、買う前に一緒に見てもらうのが確実です。
2. 工事の範囲と費用:「どこまで直すか」を決めてから買う
築古戸建ての収支は、物件の価格よりも、工事の費用で大きく変わります。
失敗しやすいのは、「買ってから、直す範囲を考える」ことです。買ったあとに見積もりを取ると、想定より高くても、もう引き返せません。
- 買う前に、業者に見てもらい、おおよその見積もりを取る
- 「貸すために必要な工事」と「できればやりたい工事」を分ける
- 見積もりに入っていない工事が出たときのために、予備の資金を残す
直しすぎないことも大切です。貸し出す家賃に対して工事にお金をかけすぎると、回収に何年もかかります。
3. 工事にかかる期間:貸せない月は、収入がゼロです
私が4棟目から工事を業者に任せるようにしたのは、ここが理由です。
自分で直すと、工事の費用は抑えられます。その代わり、休日しか作業ができず、貸し出せるまでに時間がかかります。そのあいだ、家賃は入りません。ローンを使っていれば、返済だけが先に始まります。
工事が1か月遅れれば、1か月分の家賃を失います。自分で作業をして節約できる金額と、早く貸し出して得られる家賃を比べると、業者に任せたほうが得になることが多い、というのが私の結論です。
- 買ってから貸し出せるまでの期間を、業者に確かめる
- その期間の返済と固定資産税を、手元の資金で払えるかを見る
- 工事が遅れた場合を、1〜2か月分は見込んでおく
4. 想定する家賃:直したあとの相場を、買う前に調べる
「直せば、この家賃で貸せるはず」という見込みは、外れることがあります。
家賃は、周辺で同じような戸建てが、いくらで募集されているかで決まります。買う前に、賃貸の情報サイトで近くの戸建てを調べ、できれば地元の不動産会社に、直したあとの家賃の見込みを聞いておきます。
その家賃から、ローンの返済、固定資産税、火災保険、将来の修繕のための積み立てを引いて、いくら残るかを計算します。
5. 借り手:その場所で、戸建てを借りたい人がいるか
戸建ての賃貸は、マンションに比べて物件の数が少なく、一度入居すると長く住んでもらえる傾向があります。ペットを飼いたい方、子どものいる家庭、駐車場が必要な方など、戸建てを探している人は一定数います。
ただし、場所によっては、借りたい人そのものが少ないことがあります。
- 駐車場があるか、近くに借りられるか
- 学校、スーパー、病院までの距離
- 周辺で、戸建ての賃貸が長く空いたままになっていないか
価格が安いからといって、借り手のいない場所の家を買うと、直しても貸せません。
買う前のチェックリスト
- 雨漏り、床の傾き、シロアリ、基礎、配管、屋根を確かめた
- 買う前に、業者からおおよその見積もりを取った
- 必要な工事と、できればやりたい工事を分けた
- 買ってから貸し出せるまでの期間を確かめた
- その期間の返済と税金を払える資金がある
- 直したあとの家賃の相場を、自分で調べた
- その場所で、戸建てを借りたい人がいることを確かめた
まとめ
築古戸建ての再生は、物件の価格よりも、工事の費用と期間で結果が決まります。先に見ておきたいのは、直せない不具合がないか、どこまで直すか、いつから貸せるか、いくらで貸せるか、借りる人がいるか、の5つです。
私は30棟を保有するなかで、「安く買うこと」より「早く、確実に貸し出すこと」のほうが大事だと考えるようになりました。買う前に、業者と一緒に物件を見て、費用と期間の見通しを立てておくことをお勧めします。
目的に合うサービスを選ぶ
不動産投資23年の運営者が、自分の経験から選んだサービスです。お申し込みのあとは、各サービスの担当者からご連絡します。
【PR】ご希望の方を提携先へご紹介し、ご紹介によって当サービスが提携先から謝礼を受け取る場合があります。お客様のご負担が増えることはありません。