築古戸建ての指値の考え方――「安くして」ではなく、根拠のある価格を伝える
指値(さしね)とは、売り出し価格よりも低い価格で買いたいと申し出ることです。築古の戸建ては、直す費用が読みにくいぶん、価格の相談をする場面が多くなります。
ただ、「安くしてほしい」と言うだけでは通りません。大切なのは、なぜその価格なのかを、根拠と一緒に伝えることです。
売り出し価格は、売主の希望の価格
売り出し価格は、売主が「この価格で売りたい」と出している希望の価格です。決まった値段ではないので、価格の相談をすること自体は、おかしなことではありません。
ただし、根拠のない値引きの申し出には、売主も仲介の不動産会社も動けません。指値とは、自分が買える価格を、根拠と一緒に伝えることだと考えてください。
買える上限を、家賃から逆算する
指値の根拠は、物件の数字から作ります。考え方は、年間の家賃と、自分が目標にする利回りから、「物件の価格と直す費用を合わせて、いくらまでなら出せるか」を出すことです。
数字は仮のものですが、例で見てみます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 家賃(月5万円×12か月) | 年60万円 |
| 目標の利回り | 12% |
| 出せる総額(60万円÷12%) | 500万円 |
| 直す費用の見積もり | 200万円 |
| 物件の価格の上限 | 300万円 |
売り出し価格が400万円なら、「直す費用が200万円かかるので、300万円なら買えます」と、根拠を持って伝えられます。届かない場合は、見送ります。
目標の利回りをいくつにするかは、地域や物件、借入れの条件によって変わります。上の数字は計算のしかたを示すための例です。
指値を通すための3つのこと

- 根拠を見せる。 直す場所と、その費用の見積もりを示します。
- 確実に買えることを示す。 現金の用意や融資の目途を伝え、返事も早くします。売主にとっては、価格だけでなく、確実に買ってくれるかどうかも大切だからです。
- 売主の事情を知る。 急いで売りたい事情があると、交渉の余地が生まれます。私の一棟目のマンションは、競売の手続きが始まった直後の任意売却で、最初から交渉の余地が示されていました。
やってはいけない指値
- 根拠のない大幅な値引き。 売主や仲介の不動産会社の信頼を失い、次の物件の情報が来なくなります。
- 何度も条件を変えること。 「この条件で買う」と言ったら、守ります。
- 目先の損得に走ること。 仲介の不動産会社との関係は、次の物件にもつながっています。
指値は1回きりの交渉ではなく、関係づくりの一部です。良い物件の情報は、約束を守り、早く動く人のところに集まってきます。

まとめ
指値は、年間の家賃と目標の利回りから、出せる総額の上限を出すところから始めます。そこから直す費用を引いた価格が、物件の価格の上限です。直す費用の根拠と、確実に買えることを示して交渉し、根拠のない値引きはしないことです。
直す費用の見込み方は、築古戸建てを再生する時に先に見るべきことにまとめています。目標の利回りの決め方や、現地での見極め方は、運営者の動画講座空き家投資塾で順にお伝えしています。
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