家族会議と「もしもの時に見るファイル」――事業承継を元気なうちに準備する
わが家では、年に1回、家族全員が集まって「家族会議」を開いています。2020年9月に第1回を開き、2024年7月、2025年6月、2026年7月と、これまでに4回開きました。
あわせて、「もしもの時に見るファイル」を作っています。私に何かあったとき、家族が困らないようにするためのものです。
始めたきっかけと、実際に何をしているかを書きます。
始めたきっかけ
きっかけは、三つありました。
親のお金のことを、何も知らなかった
父が高齢になり、両親の暮らしが心配になったとき、私は、両親の貯蓄のことを何も知らないことに気づきました。このままで生活していけるのかどうかも、分かりませんでした。
自分に何かあったら、家族は連絡先すら分からない
私の場合、二つの法人を経営しており、資産の種類も多く、関わっている方もたくさんいます。私が不慮の事故に遭ったら、家族は、どこに連絡すればよいのかすら分からないだろうと思いました。親のことで困った自分と、同じ思いを家族にさせることになります。
家族が顔を合わせる機会を、意識してつくりたかった
私は三人兄弟の長男です。実家が広くなかったこともあり、両親は、お盆や正月に兄弟が時期をずらして帰ってくるように気を配ってくれていました。そのぶん、兄弟で顔を合わせる機会は少なくなりました。
私の二人の息子も、すでに独立しています。何もしなければ、同じように集まる機会が減っていくかもしれません。何か理由をつけてでも、家族全員が集まる日を年に1回はつくろう。そう考えたことも、理由の一つです。
家族会議で話していること
会議では、隠しごとをせずに、次の内容を説明しています。
- 二つの法人の、事業の内容と課題
- 3期分の決算書(グラフにして、分かりやすくしています)
- 私と妻の、資産の状況
- 私たちが亡くなった場合の、相続税のおおよその金額
数字をそのまま見せても、伝わりません。決算書はグラフにして、増えているのか減っているのかが、ひと目で分かるようにしています。
相続税の金額まで話すのは、「そのとき、いくら必要になるか」を、家族が前もって知っておくためです。
会議の場所にも、工夫をしています
場所は、できるだけ良いホテルなど、ふだんとは違う所を選んでいます。
家の居間で話すと、いつもの会話の延長になってしまいます。場所を変えると、全員が「今日は大事な話をする日だ」という気持ちで集まれます。年に1回の楽しみにもなります。
「もしもの時に見るファイル」に入れているもの
ファイルには、次のものを入れています。
- 物件の一覧
- 資産を買ったときの記録
- 顧問税理士の連絡先
- 生命保険の担当者の連絡先
資産を買ったときの記録を入れているのは、売るときに必要になるからです。いくらで買ったかを示す書類がないと、売ったときの税金の計算で不利になることがあります。私しか場所を知らない、という状態にしないようにしています。
続けて、変わったこと
1回目と2回目のあいだは、少し期間が空きました。その後は毎年開いており、いまでは、家族のなかで「毎年やるのが当たり前」になっています。
続けてみて、家族の絆が深まっていると感じます。
もう一つは、安心感です。親の資産と事業がどうなっていて、もしものときに何が起きるのか。それが見えていることで、家族みんなが、先の見える安心を持てていると思います。
これから始める方へ
家族会議というと、大げさに聞こえるかもしれません。最初から、すべてを話す必要はありません。
- まず、家族全員が集まる日を決める
- もしものときの連絡先を、1枚にまとめる
- 持っている物件と借入れの一覧をつくる
- 慣れてきたら、数字を見せる
不動産や事業を持っている方ほど、ご本人しか知らないことが多くなります。元気なうちに、少しずつ共有しておくことをお勧めします。

まとめ
家族会議と「もしもの時に見るファイル」は、親のことで困った経験から始めました。年に1回、場所を変えて集まり、事業と資産の状況を隠さずに話しています。
事業承継は、何かが起きてから始めるのでは遅くなります。元気なうちに、家族が同じ情報を持っている状態をつくっておく。それが、いちばんの備えだと考えています。
目的に合うサービスを選ぶ
不動産投資23年の運営者が、自分の経験から選んだサービスです。お申し込みのあとは、各サービスの担当者からご連絡します。
【PR】ご希望の方を提携先へご紹介し、ご紹介によって当サービスが提携先から謝礼を受け取る場合があります。お客様のご負担が増えることはありません。