野立て太陽光発電で失敗した話――発電量が想定の7割、交渉の末に返品するまで
不動産投資の話をすると、うまくいった例ばかりが目につきます。この記事は、その反対です。私が2015年に手を出した、野立ての太陽光発電の失敗について書きます。
結論から言うと、発電量が想定の7割ほどしかなく、業者と数か月交渉した末に、返品しました。
始めたきっかけは、屋上の太陽光でした
2014年4月、私は持っていた一棟のマンションの屋上に、太陽光パネルを設置しました。この屋上の太陽光は、利回りの面で良い実績が出ていました。
うまくいった経験があると、次も同じようにいくと考えてしまいます。屋上でうまくいったのだから、土地に置く「野立て」でもうまくいくだろう。そう考えたのが始まりです。
税金の面でも、狙いがありました
もう一つの理由は、税金でした。
2015年、私は新しく合同会社を設立しました。当時の考えは、消費税を納める会社(課税事業者)として太陽光の設備を買えば、設備にかかった消費税の還付を受けられる、というものでした。さらに、3年目以降の売電の収入も、事業に生かせると考えていました。
税金の扱いは、制度の改正や会社の状況によって変わります。いまこれから同じことを考える方は、必ず税理士に確かめてください。
兵庫県の土地に、46.4kWの発電所を買いました
買ったのは、兵庫県多可郡多可町にある、低圧の野立て太陽光発電所です。出力は46.4kWでした。
低圧とは、出力が50kW未満の発電所のことです。電力会社との手続きが比較的簡単で、個人や小さな会社でも買いやすい規模です。
見積もりは、パネルやパワーコンディショナー、架台、工事を合わせて、税込で約2,000万円でした。これとは別に、土地の代金が200万円、電力会社への工事の負担金がかかりました。
発電量は、想定の7割ほどでした
発電を始めてから、半年間運営しました。ところが、実際の発電量は、想定していた量の7割程度にとどまりました。
太陽光発電の収入は、発電量にそのまま比例します。発電量が3割少なければ、収入も3割少なくなります。一方で、借入れの返済や維持費は、発電量に関係なく出ていきます。
原因は、影だったと考えています。太陽光パネルは、何枚かをつないで1つの列として発電します。そのため、一部のパネルに少し影がかかるだけで、つながっている列全体の効率が落ちることがあります。土地に置く野立ては、周りの木や地形の影を受けやすい場所でした。

業者と交渉し、最後は返品しました
私は、業者に苦情を伝えました。一度では話がまとまらず、何度も交渉を重ねました。
交渉は、数か月かかりました。最終的に、購入した金額から、それまでの発電の収入を差し引いた金額で、発電所を返品する形で決着しました。実際の損失は、登録の費用などにとどまり、ごくわずかで済みました。
この形で決着できたのは、運が良かったと思っています。交渉がまとまらなければ、想定の7割の発電量のまま、何年も持ち続けることになっていました。
失敗の原因を振り返る
いま振り返ると、原因は3つあったと考えています。
1. 屋上の成功を、そのまま当てはめた
屋上の太陽光と、野立ての太陽光は、条件が違います。設置する場所、日の当たり方、周りの環境、管理の仕方。うまくいった経験は、別の条件では通用しないことがあります。
2. 税金のメリットを、判断の理由に入れすぎた
消費税の還付は、設備を買ったときの話です。発電所そのものが利益を生むかどうかとは、別の問題です。税金のメリットがあると、本業の収支の見方が甘くなります。
3. 「シミュレーションより多く発電する」と思い込んでいた
いちばんの反省点は、ここです。マンションの屋上の太陽光では、実際の発電量が、シミュレーションを上回っていました。その経験から、シミュレーションより多く発電するのが当たり前だと思い込み、見込みの数字を疑わずに進めてしまいました。影の影響を、現地で確かめることもしませんでした。
買う前に、確かめておきたいこと
これから太陽光発電を考える方には、次の点を確かめておくことをお勧めします。
- 発電量の見込みは、どんな前提で計算されているか(日射量、パネルの劣化、影の影響)
- 同じ地域の、実際の発電所の発電量の実績はどうか
- 現地を、自分の目で見たか(周りの木や建物、地形の影。朝と夕方の影も。草の伸び方、水はけ)
- 発電量が見込みを下回ったときの保証や、契約を解除できる条件はあるか
- 売電の価格が決まっている期間が終わったあと、どうするか(撤去の費用も含めて)
- 税金のメリットを除いても、収支は成り立つか
まとめ
私は、屋上の太陽光の成功体験と、税金のメリットに引っ張られて、野立ての太陽光発電を買いました。発電量は想定の7割ほどで、原因は影だったと考えています。数か月の交渉の末に返品し、損失はわずかで済みましたが、運が良かっただけです。
不動産でも太陽光でも、うまくいった経験は、次の判断を甘くします。条件が変われば、前提から確かめ直す。この失敗から学んだことです。
買う前・始める前に、経験者へ相談を
この記事を書いた運営者が、最初にお話を伺います。相談だけで終わっても構いません。
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