徳島出身・31年会社員の不動産投資実体験。賃貸・融資・民泊を解説。

競売開始決定直後の一棟物件を購入して直面した現実

私は2007年、東大阪市にある鉄骨造3階建て、1K15室の一棟マンションを購入しました。紹介を受けた時点では2室が空いており、競売開始決定直後という事情がある物件でした。

競売に関係する物件は「安く取得できるかもしれない」という面が注目されがちです。しかし、価格だけを見て判断すると、確認できる情報の限界、期限、融資、占有・賃貸状況、修繕、取得後の運営が一度に問題になります。

この記事では、競売を勧めるのではなく、私が最初の一棟を取得した経験から、急いでいる時ほど何を分けて確認するべきかを整理します。

最初に直面したのは、判断期限と確認作業が同時に来ること

通常の売買でも調査は必要ですが、競売開始決定直後の物件では、売主側の事情と期限を意識しながら判断する必要がありました。当時の私は会社員で、深夜残業や海外出張もありました。現地確認、賃貸状況、修繕履歴、法的事項、融資条件、購入後の資金を、限られた時間で整理しなければなりません。

この経験から学んだのは、速く決めることと、確認を省くことは違うということです。チャンスは準備が整うまで待ってくれません。一方、最低限の確認基準がなければ、速い決断はただの賭けになります。

競売に関係する物件で分けて確認した6項目

1. 権利関係と手続きの現在地

まず、物件がどの手続き段階にあり、誰が所有し、どの権利や契約が関係しているかを確認します。資料だけで判断できない点は、司法書士や弁護士などの専門家へ確認します。

「競売物件」という一言で同じ扱いにせず、裁判所の競売へ入札するのか、競売開始決定後に通常売買で取得するのかなど、自分が進めようとしている取引の形を明確にすることが出発点です。

2. 入居・占有の状況

一棟物件では、空室数だけでなく、入居中の部屋の契約内容、家賃、入金状況、保証、敷金、管理状況を確認します。私が紹介を受けた15室の物件は、当時2室が空いていました。

入居していることをそのまま安定収入と考えず、契約と入金の裏付けを確認します。明渡しや契約承継など法的判断が必要な場合は、自己判断で進めず専門家へ相談します。

3. 現地でしか分からない状態

書類上の面積や築年数だけでは、共用部、外壁、屋上、給排水、電気設備、室内、周辺環境の状態は分かりません。立入り可能な範囲や調査方法を確認し、見られない箇所は「問題なし」ではなく「不明」として残します。

確認できない部分には、購入後の追加費用が発生する可能性があります。見積もりが取れない項目ほど、資金計画に余裕を持たせます。

4. 物件価格ではなく取得後までの総額

判断する数字は購入価格だけではありません。税金、登記、融資費用、保険、未確認部分への備え、初期修繕、空室の原状回復、募集費などを含めて取得総額を考えます。

安く取得できても、修繕と運転資金が不足すれば運営は止まります。「いくらで買えるか」と「稼働するまでにいくら必要か」を分けます。

5. 融資と資金実行の期限

私は競売に関係する物件を取得し、公的金融機関へ事業計画を持ち込んで資金調達した経験があります。大切だったのは、高い利回りを示すことではなく、通常時の収入、空室、修繕、返済額、購入後に残す現金を一つの事業として説明することでした。

融資を受けられることと、無理なく返済できることは別です。審査や資金実行が期限に間に合うかだけでなく、想定より収入が遅れた場合も返済を続けられるかを確認します。

6. 取得後に誰が運営するか

取得はゴールではありません。管理会社の引継ぎ、入居者への案内、家賃の入金管理、空室募集、修繕判断、緊急連絡を誰が担うかを決めます。会社員の場合は、本業中に届く連絡をどこまで管理会社へ任せるかも重要です。

私が見るようになった3つの収支

取得直後の収支

現在の入居状況と現在の家賃で計算します。満室になった未来の収入ではなく、購入直後に入る可能性が高い収入から、固定費と返済を引きます。

修繕・募集期間中の収支

空室の原状回復や建物修繕が先に必要なら、支出が先、収入は後になります。工事と募集が想定より遅れる場合も計算します。

安定運営後の収支

改善後の収支は目標として使います。ただし、そこへ到達するまでの資金と時間が確保できている場合に限ります。将来の満室想定だけで現在の購入判断を正当化しません。

競売に関係する物件を急いで買わない方がよい状態

  • 取引の形と手続き段階を説明できない
  • 権利関係や入居・占有状況に不明点が多い
  • 現地で確認できない箇所を問題なしと扱っている
  • 購入価格以外の費用をまとめていない
  • 融資が間に合わない場合の対応を決めていない
  • 空室・修繕が重なった時の手元資金がない
  • 取得後の管理担当と判断基準が決まっていない
  • 専門家へ確認する項目を切り分けていない

入札・契約前の確認チェックリスト

  • 手続き段階と期限を確認した
  • 登記・権利関係の不明点を書き出した
  • 入居、占有、賃貸借、入金状況を確認した
  • 現地で確認できたこと・できないことを分けた
  • 初期修繕と空室募集の予算を置いた
  • 現在・修繕中・安定後の3つの収支を作った
  • 融資条件と資金実行期限を確認した
  • 購入後に残す現金を決めた
  • 管理会社と専門家の役割を決めた

その後の運営で分かったこと

2007年に購入した一棟目は、その後ほぼ満室で運営できた時期もありました。しかし、その結果だけを見て「競売に関係する物件ならうまくいく」とは言えません。うまくいった経験は、次の物件でも同じ結果になる保証ではないからです。

大切なのは、安く買えたかではなく、問題が起きても運営と返済を続けられるかです。競売に関係する物件ほど、不明点を楽観的に埋めず、確認できた事実、未確認事項、専門家へ聞くことを分ける必要があります。

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競売に関係する物件の判断を整理したい方へ

入札や購入を勧めたり、法的な判断を代行したりする相談ではありません。物件種別、手続きの段階、期限、現在分かっている入居状況、取得後の用途、融資、分からない点を、書ける範囲でお送りください。専門家へ確認する事項と、収支・運営面で整理する事項を切り分けます。

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